U.M.I Film Makers 航海日誌

映画製作ユニット「U.M.I Film Makers」の活動の日々を記した航海日誌です。

船長の航海日誌56~中野守という監督

季刊ライトシネマ2020冬号・中野守監督作品『遺言』無事に上映会終了致しました!

ご来場いただいた皆様、配信をご覧いただいた皆様ありがとうございます!

 

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帰宅後、完成まで観返すのを封印してた舞台版『遺言』の舞台映像を観直しました。
ほぼ同じ脚本なのに印象が全然違っててビビりましたwww

こんなに違ってたっけ???w

観てない方は舞台版も是非!!!『会議家族』『趣味と実害』の中の一遍として収録されてます♪


一番違うなと感じたのはそもそものお話の位置づけ。
舞台で上演される時は短編集の最後の一本として上演されることが多いのでサクッと始まってひと仕切りの騒動の後スパッと終わる歯切れの良い印象なのですよね、この作品。
この作品の前に上演されてた短編のディテールがちょこちょこ登場したりもして結びの一本に相応しい作りになってる。

ところが映画版は一本立ての短編なのでここを変えなければいけないw
独立したお話として始まって終わらなければならない。
脚本自体は殆ど同じなのにこれをちょっとした改変だけでやってる訳です。
監督・脚本の中野さんのバランス感覚と俳優陣の演技のさじ加減凄い!!!

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中野さんって幾何学的な模様を描く…みたいな創作感覚で作品を創る人なのかもなと思いました。

読み合わせやリハ、撮影プランの設定などの段階で俳優さんたちや撮影陣からそれぞれのパートに関するアイディアが当然色々出て来るんですが、中野さんが「No!」っていうことが基本的には無い。
根底が覆るような無茶なアイディアはきっと「No!」なはずですが、流石にそんな事する人も居ないので、一見すると取捨選択してない印象を抱く人もいるんじゃないかというほどアイディアが通るw

そういうアイディアをどこにどうやって配置したら全体が綺麗な模様になるのかな?…ということを楽しみながら考えて創ってる印象。
綺麗な色のついた砂を一粒づつ並べてカラフルな紋様を描く…みたいな創作観なのかも知れません。
そうだとしたら割と珍しいタイプの作家さんなので貴重な体験だったと思うし、アイディア盛り盛りで参加できるのでめちゃくちゃ楽しかったです♪

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今回の『遺言』はアフタートークも含めて12月22日20:00までアーカイブ配信されてます。
ご興味ある方は是非ご鑑賞ください!

アーカイブ配信のチケットご購入はこちら】

https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/155