おはようございます。船長の武信です。
映画『さようなら』大阪・十三シアターセブンでの初一般公開、好評のうちに無事に終了することが出来ました。
暑い中ご来場いただいた皆様本当に有難うございました!
この先もまだまだ上映や配信を続けていくと思いますが、まずは最初の節目通過ということで映画『さようなら』の撮影監督としての映像的な面からの振り返りなどを。
元々原作になった舞台版の『さようなら』が大好きでいつか自分が関わって映画にできたらなぁ…と考えていた念願の企画だったのですが、ARTS for the future!(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)での補助金交付が決定し、さあ作れるぞ!…となると映像班的には今度はその夢想をどうやって映像として具体化するか?が当然考えるべき問題になる訳です。
この物語の場合登場人物が6人しか居ない息苦しい雰囲気をどう映像で表現するか?がまずは最初にして最大の映像的な演出のポイントになるのは明白。
広々とした爽々しい空間の中でこのお話が進んでいくのはどう考えても不釣り合いw
…となると空間が実際より広く映る広角レンズは使わず、可能な限り望遠レンズで撮影して出来るだけ全てのカットで狭苦しさを強調しよう!という基本方針は絶対ということになりました。
ロケ地協力してくださったスナックボワールが縦に細長い作りだったので出来るだけカメラを俳優陣から離して配置してズームレンズの望遠側で撮影して広く映らないようにしています。
この撮影方法が一番顕著なのは多分ここ。
休憩室の一連のシーン。
このシーンは実際の工場の一角をお借りしてそこに久太郎さんにセットを建ててもらって更に空間を狭くして撮影していますが、実はこのセット壁が取り外せるように作って頂いててカメラはセットの外から中が撮影できるようになってました。
これもスナックのシーンと同じで出来るだけ望遠側で撮影する為のものです。
前述の「休憩室のワンカット」は実は↓の写真の…
ポスターが貼られている壁を取り外してその奥にある部屋から撮影していますw
(因みにこの写真はOPクレジット用なので広角側で撮影しています。広く映る感じが伝わりやすいかと思います)